フォーラム21の例会や研究会などの活動内容を紹介します。 | |||||
第47回例会 ■日時:2008年2月14日(木) 18:00〜 ■会場:中部電力(株)若竹クラブ3Fホール ■講演:「TLDシステムのご紹介〜TOENEC Low-voltage Distribution System〜」 講師:潟gーエネック 技術開発室・研究開発グループ長 伊藤公一氏 ■内容 |
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・ | 低圧配電設備の現状と問題点として@インバータによるノイズ障害、A漏電遮断器の不要動作障害、B電子機器内蔵バリスタの破損がある。 | ||||
・ | インバータによる高周波漏れ電流は、B種接地線または対地静電容量の大きな電路で線路に流入する。このノイズによりITVの画像劣化障害や漏電遮断器の不要動作、AMラジオの雑音などの障害が発生する。 | ||||
・ | 漏電遮断器は対地静電容量から流れ込む漏れ電流の増加や、他バンクでの地絡による地絡電流の流入により不要動作を起こす。 | ||||
・ | 電子機器内蔵バリスタは地絡による対地電圧の上昇により焼損してしまう。 | ||||
・ | 以上3つの問題はB種設置の共用や配電方式、対地静電容量の増大、機器の耐量などが要因と考えられる。 | ||||
・ | TLDシステムは変圧器二次側電路の接地をとらないので非接地式電路となり、上記のような問題を解消することができる。他にも感電事故や電気火災、落雷時の機器絶縁破壊などの事故も防止できる。 | ||||
・ | 事故時にはコンデンサを介したTLDが接地線を導通させるため新しい接地方式となっている。 | ||||
・ | 電気設備技術基準にも適合(平成15年度認可)している。 | ||||
・ | 従来、TLDが導入できるのは混色防止板付き変圧器の二次側接地だったが、通常変圧器回路でもTLDを導入できるよう「既設対応型TLD」も開発した | ||||
・ | 既設対応型TLDは空芯リアクトルを用いるので、突入電流、雷サージを抑制することができる。機器は物件ごとに盤を製作している。 | ||||
■質疑応答 | |||||
・ | オール電化住宅などで家庭内の機器容量が増えてくると、ELCBが誤動作するような状況は低圧系統においてあり得るのだろうか?ありえるのであれば、低圧系統に導入する事が必要であるのかどうか? (回答)一般家庭のような小規模では、障害は今までに聞いたことが無い。電路が長くなると、30mAの漏電遮断器は使えない。低圧用には低圧電路用の方向継電器を開発しているので、そちらを提案している。 大きな集合住宅でオール電化のような容量の大きな機器があり、線路こう長が長く、分電盤の容量の大きな需要家であればELCBの誤動作はありえる。ビルの大きさでいえば10,000u以上需要家であれば問題は起こりうる。 | ||||
・ | 線路の長い場合であれば対地静電容量が大きくなり対地電圧が上層してしまうが、その対地電圧と、TLDの接地コンデンサに掛かる電圧との住み分けはどのようにされているのか? (回答)TLDは平常時非接地回路となっているが、非接地の場合は三相の対地電圧は平衡となるので、静電容量が大きくても三相平衡の場合では零相電圧はゼロとなる。不平衡の場合であると、数10Vの対地電圧が常時掛かっている事が多いので、閾値を設けてやることで誤動作を解消できる。微地絡が発生した場合でも、地絡したときにTT系統となるのでそれほど危険な状態であるとはいえない。 | ||||
■感想 | |||||
・ | 実際に現場で問題となっている事を解消するための機器を開発されていた。開発を行っていく上での姿勢を学んだ。 | ||||
・ | 全く新しい事に挑戦しようとする姿勢と、それを実現する行動力はとてもすばらしいと感じた。 | ||||
以 上 |
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(報告者:(株)トーエネック 西戸 雄輝) |
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