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 フォーラム21の例会や研究会などの活動内容を紹介します。


 第41回例会


■日時:2006年11月16日(木) 18:00〜


■会場:中電若竹クラブ


■講演:「現代社会を動かすモータ技術!!」その1−産業・運搬動力用モータなどの話題−
   講師:中部大学教授 坪井和男 先生


■内容
・直流モータは1890年代、誘導モータと同期モータは1900年代初頭、永久磁石同期モータは1980年代から本格的な実用域に達した。モータの本格的な実用化の歴史は100年程である。
・日本の発電電力のほとんどは回転機による発電機によるもの。
・制御用などの小形モータ(70W以下)は日本製が世界の80%のシェアを占めている。
・回転電気機械の国内生産額(2005年)は9300億円であり、そのうち75%が電動機である。また電動機のうち44%が小形モータ、24%が非標準三相の誘導モータ(IM)、24%がサーボモータである。
・電車用のモータとしては、700系新幹線では300kWのIMが12車両に各4台ずつ使用されている。在来線、地下鉄では最近はVVVF制御のIMの車両のみが購入されており、既存車両の直流モータの割合は約半分になっている。
・エレベータのモータとしては、1990年代初頭までは直流モータ、2000年代初頭までは誘導モータが使用されていたが、近年は磁石式同期モータが使用される。世界最速のエレベータ(台北国際金融センターにあり、時速60km)では、回転子の内部に永久磁石を埋め込んだIPMSMが使用されている。
・大形回転機の話題としては、中国三峡ダムの水力発電機がある。世界最大規模で、70万kW×32台。これは中部電力の発電設備の約70%に相当する。発電機はたて軸回転界磁形同期発電機である。
・揚水発電所では東京電力の神流川揚水発電所が世界最大規模。発電機は470MW×6台。1号機が平成17年に運転開始しており、10年後に完成予定。
・将来的には、モータの種類は効率がよい磁石式が増えていく予想されるが、誘導モータがなくなることはないであろう。
・刈谷の依佐美通信所に設置されていた無線通信用特殊高周波発電機の調査研究を行い、完成した昭和4年当時としては画期的な装置であったことがわかった。平成19年4月に記念館が開館する予定である。

■感想
・「モータは現在社会を動かすハートだ!」といえるほど現在社会に貢献しているモータについて幅広く紹介していただき参考になりました。特にモータの回転原理を丁寧に解説していただき勉強になりました。

以 上

                       (報告者:(株)トーエネック 小林 浩)
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