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 フォーラム21の例会や研究会などの活動内容を紹介します。


 第35回例会


■日時:2005年 2月17日(木) 18:00〜20:00


■会場:中電若竹クラブ


■講演:「フィリピン国における配電電力事情」
   講師:中部電力販売本部配電部 山田琢寛氏


■内容

 今回は中部電力の山田琢寛氏から、JICA(国際協力機構)の案件としてフィリピンでお仕事をされてきた経験・体験を基に、「フィリピン国における配電電力事情」と題してお話を伺いました。
 フィリピンは7000もの島からなる国で、人口は約8000万人。そのうち約900万人はマニラに住んでいます。面積は30万km2で日本の約0.8倍。電力需要は合計8500MWで、中部電力の約3倍程度の規模です。
 配電損失率が16.9%と日本に比べて非常に高く、その理由の1つは「盗電」なのだそうです。
勝手に電線をつないで盗電されてしまい、そのためもあるのか国内に約140ある配電会社の4割が赤字経営のようです。
 電化率は、バランガイと呼ばれる村落の単位では90%です。しかしこの電化率の定義は、「配電線が村の中心を通過すること」か「分散型電源が村の中心部で10戸以上に電力を供給すること」なのだそうです。ですから、実際に電気を使用している人口はもっと少ないようです。
 配電線のない地域の電力供給方法は、主に小型のディーゼル発電機、ソーラーホームシステム(太陽光発電パネル+バッテリー)で電力を供給しています。一方、島の電力供給方法の1つとしてパワーバージと呼ばれる海の上の発電所もあるそうです。これを必要に応じて船でいろいろな地域に移動させながら発電をしています。
 山田さんの仕事の内容は、フィリピンのエネルギー省に対する配電開発計画策定(Distribution Development Plan)のコンサルティングということですが、現地の調査では電化率の低い離島に行かれて、停電・断水・蚊の襲撃等、いろいろな体験をされたとのことです。
 日本の電力事情や生活環境というのはいかによいかということが実感できる貴重な講演でした。


                       (報告者:(株)トーエネック 小林 浩)



講演風景

ライトパーティー
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