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 フォーラム21メンバーによる各種資格・試験の合格体験記を紹介します。



 技術士 総合技術監理部門(電気設備) 合格体験談
                                 株式会社きんでん 保木本 正史

はじめに

 技術者を取り巻くグローバルな経済社会情勢の変化を踏まえ、平成12年に技術士法および同法施行規則の一部改正が行われた。この改正により、総合技術監理部門の新設が行われ平成13年新しい試験制度による最初の試験が行われた。幸いにも、この総合技術監理部門の技術士試験に合格できたので、以下に受験体験を述べる。今後、受験資格のある人のチャレンジ意欲を掻きたてれれば幸いである。

1.受験から合格までの経緯

 受験申し込みが、平成13年5月11日の締め切りとの事で4月27日に連絡があった。中部支社にも技術士取得者が8人在籍しており、早速受験督励の業務連絡を発した。その結果4人が今回の申し込みをした。私も技術士会窓口の立場から不合格でも体験しなければ、今後の指導が出来ないと思いオブザーバーのつもりで申し込みをした。
 筆記試験は10月8日(月)体育の日であり、5ヶ月の勉強期間はあるわけであるが、この時点では総合技術監理の必要条件は確定していなかった。6月になり日本技術士会より「技術士制度における総合技術監理部門の技術体系」(以下青本)が発刊され、早速購入し申込者4人に配布した。内容を見ると日常業務の理論構成であり相当難しい内容になっており厳しさを感じた。勉強はそこそこに3ヶ月が過ぎ、人材開発より研修会の案内が9月22日(土)であった。このとき自分の業績で論文を書いてみたのが初めてである。研修後2週間しかない。予想問題の5択と論文をもう一度整理してみた。
 10月8日体育の日、午後1時からの試験であり遅めの朝食を8時ごろとり昼食はサンドイッチ程度で済ませ試験会場に行った。試験会場では業界、学会等の知り合いも多く互いに励ましあった。試験後、同輩と一杯飲みながら問題の難解さに花を咲かせた。
 12月21日(金)朝から忙しく、メールを見たのが午後になってから。合格していた、ラッキー。90%はダメだと思っていたのに合格してしまった。全国で当社12名の合格、中部地区で電気設備の合格3名中2名が当社、もう1名は学会での知り合いであった。
 1月14日成人の日、本店で口述試験に備えての研修会。模擬口述試験には自信がなく欠席。1月27日(日)の口述試験に備えて勉強するが、なかなか進まない。後1日を残して苛立ちはつのる。もう出たとこ勝負しかない。試験の終わった人の情報を聞き試験場へ。
 試験終了後、4人で反省会。
 3月7日(木)中日新聞に合格者が記載されている。合格である。中部地区の電気設備3名合格していた。午後メールを見ると当社は11人合格している。総合技術監理部門で1回目2300人程度の合格であり、そのうち1500人程度が建設部門、電気電子部門は70人程度そのうち30人が電気設備である。

2.筆記試験

 論文は、自分の業績の中から、経済性管理、人的資源管理、情報管理、安全管理、社会環境管理を取り上げ、課題、解決策、目標等を記述すればよい。現在、当社の技術士の皆様は、それぞれの立場で責任的役目を担っている。その実態を記述すれば十分だと思う。私の例であるが、支社技術総括責任者、支社主任安全管理者、品質管理責任者、環境管理責任者であり、日常業務を記載した。
 五者択一については、例題をこなし、解らないところは青本を熟読することだと思う。特に日ごろ使用しない専門用語は確実に覚えて欲しい。私はこの用語に悩まされた。青本は、上記努力をすれば重要ヶ所はマークで埋まってくると思う。

3.口述試験

 問題を1問、1問ノートに書き、解答を調べてから宙で覚えるしかない。特によく間違うものは、電車の中、トイレ、歩きながら、寝床の中等どこでも声を出して反すうして自分のものにすることが大事である。あとは技術士としての自覚と自信で対応すればよい結果が出るであろう。

おわりに

 今回は、まぐれ的に合格した。思えば電気電子の技術士のときは相当に勉強したが、今回は時間もなかったし、何を勉強すればよいか、あまりにも範囲が広いので戸惑った。合格して初めてこれからが勉強だと、思いを新たにしているところである。今後も技術士の品位の保持、資質の向上が技術士法に規定されているので、技術士CPDに励み、また会社および社会にも貢献していきたい。最後に、社内業務に励めば総合技術監理部門の技術士は確実に合格することを付け加えたい。
 

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