フォーラム21メンバーが参加した講習会や展示会などの内容を紹介します。 | ||
「グリーン庁舎と新エネルギー」講習会 参加報告 日 時:2002年10月9日(水) 場 所:厚生年金会館 内 容: 1. 環境配慮型庁舎(講師:国土交通省 浅井英利) ・グリーン庁舎計画指針、グリーン診断・改修計画指針、導入事例の3つの構成でわかりやすく説明がなされた。 ・導入事例は、岡崎シビックプラザについて紹介された。LCCO2の予測値や太陽光発電設備の電力量データや調光照明の調光率データなどが示された。 ・従来ビルとグリーンビルの比較において、空調設定温度や照度などの条件を統一しているかという質問がなされた。 (回答)同じにしている。 2. バイオマス発電導入事例(講師:明電舎 浅野義彦) ・バイオマス発電の概要と導入事例についての紹介であった。 ・電気事業者に対し、販売電力量に応じ一定割合以上の新エネルギー(太陽光、風力、廃棄物、バイオマス)導入が義務付けられた(RPS法)。 ・バイオマス発電の2010年度における導入目標は33万kW。 ・農林水産省から助成金が設けられており、他の省庁も準じ設けられる予定。 ・バイオマス資源は多種あるが、現在のプラントは農林水産系(糞尿、木質など)が主流。 ・北海道 別海町に国内最大プラント(糞尿)がある。この他、京都(糞尿)、岡山・広島(木質)、神戸(家庭ごみ)などにプラントがある。 ・バイオガス中のメタンは55〜65% ・発電は、ガスエンジンやMGTによるコージェネレーションの形態が多い。 ・給食センターやレストラン、ホテルなど地域の廃油・食用油を利用する地域熱電併給システムは、3年で投資回収できる計算となった。 ・kW当たりの建設費について質問がなされた。(回答)生ごみ:4000万円/t、糞尿:2000万円/t、木質:1000万円/t程度である。 ・廃油利用については、異種の油が混ざった場合の問題点について質問がなされた。 (回答)現状は事前調査により性状の明らかなものを使用しているが、この点は今後の検討課題である。 3. NAS電池電力貯蔵技術(講師:日本ガイシ 田中耕太郎) ・以下の特徴を持つ。 @ エネルギーも密度が高い(鉛の3倍) A 電解質(βアルミナ)が固体のため自己放電が小さい。 B 長サイクル寿命(2500サイクル) C メモリ効果なし D 単位セルごとのばらつきが小さく、集積が容易。大型化可能 E 瞬時放電電流が大きい F 危険物(ナトリウム、イオウ)使用、規制有り ・負荷平準化、瞬時停電補償、無停電源、非常電源に利用可。 ・瞬低補償では、20ms以内の電圧動揺に抑制できる。 ・現在のコストは25万円/kW。近い将来15万円/kWになると予想される。 ・装置の信頼性が認められ、法規制が徐々に緩和されている。 ・法規上、発電所の取り扱いにならない。 ・セル内でナトリウムとイオウが混ざった場合(セル内短絡)に異常検出が可能か、という質問がなされた。 (回答)セルの電圧監視により、異常検出を行っている。 ・負荷平準化に利用する場合、装置のメンテナンス時に自家発補給契約は必要か、という質問がなされた。 (回答)発電設備ではないので、適用外となる。オフピーク時にメンテナンスを行うことで対処できる。 <報告者の全体に関する感想> ・グリーン庁舎および新エネルギーについて、わかりやすく説明していただき、大変有意義な講習会であった。 ・バイオマス発電は、燃料となる資源が安定供給できれば、コージェネレレーションの形態で普及が見込まれる。環境にやさしい技術なので今後の普及を期待したい。 ・NAS電池については、長年にわたる信頼性や安全性、性能向上のための様々な努力が伺え、すばらしい研究成果と感じた。建設費が15万円/kWになれば、かなり普及が見込まれるのではないか。 報告者:伊藤公一(トーエネック) 以 上 |
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