トップページ

 フォーラム21メンバーが参加した講習会や展示会などの内容を紹介します。



 国際BACnetシンポジウム参加報告

 2002年8月9日(金)、国際BACnetシンポジウムが、7日の東京会場に続いて大阪の中央電気倶楽部において開催された。
 講演者は、コーネル大学施設管理部門コンピュータ課課長のH.Michael Newman氏、米国標準研究所(NIST)建築・防火研究所の設備システム・自動制御グループの責任者であるSteven T.Bushby氏、BACnet製造者協会(BMA)会長のJames M.Lee氏、華中科技大学教授のManli Zhou氏、協立機電工業鰍フ豊田武二氏の5名であった。
 


左から、豊田氏、Lee氏、Bushby氏、Newman氏


 Newman氏の講演は、「Key Technologies」と題し、BACnetがビルに特化された唯一の標準プロトコルであること、そのコンセプト、構成要素、構築手法、インターネットを利用した構成法などについての説明があった。

 Bushby氏の講演は、「International Standardization and Application of BACnet Products」と題し、BACnetプロトコルの生い立ちから現在の維持状況、各国での取り組みについての説明のあと、「CaseStudies」として、BACnet適用事例について紹介があった。日本での事例としては、元の青函連絡船である八甲田丸が紹介された。また、最後にリサーチ会社による各通信プロトコルの導入実績と成長率の調査結果についての紹介があり、そこではBACnetはLONWORKSを上回る結果となっており、Bushby氏も、BACnetの勝利を強調していた。

 Lee氏の講演は「Advocating BACnet」と題し、BACnet製造者協会(BMA)について、その目的や活動について紹介があった。それによると、相互運用性マーク認定のための試験手法の開発、試験機関の設立、分科会の取りまとめを目的とし、設計ツールの提供や、市場の開拓を行っている。現在BMAには21社が参加している。相互運用性マークは「BTL Logo」であり、そのテストラボは現在ボストン1個所であり、今秋ドイツに設立予定である。日本にもIEIEJでの設立を希望すると話された。

 Zhou(シュウ)先生は、中国におけるBACnetの動向と、現在取り組んでいる、CCTVにBACnetを適用する研究について、紹介された。

 豊田氏からは、日本での動向と、電気設備学会プロトコル(IEIEJ/P)の概要について紹介された。

 参加しての感想として、全体の内容としては概要や一般論が多く、あまり専門的な部分までは話されなかったように感じた。また、LONWORKSとの関係については、両者の取り組みは同じ方向性であるように感じた。またこの点に関して、日本では上位(基幹)のプロトコルとしてBACnet、下位(フィールド)のプロトコルとしてLONWORKSを使用するといった考え方が多く見受けられるが、今回の講演者の考えでは、上位から下位まですべての部分でBACnetを適用することが前提となっている点で、認識の違いがあるように感じた。

                           報告者:高橋和宏(トーエネック)

                                         以 上

参考リンク:
http://www.bacnet.org/
http://www.bacnetassociation.org/
電気設備学会 BACnet関連情報

技術報告メニューに戻る